中小企業診断士・二次試験の参考書に「ふぞろいシリーズ」があります。
この「ふぞろい」は、二次試験を受験する方のほとんどが使用している鉄板の参考書です。
しかし、「ふぞろいシリーズ」にはいくつかの種類があり、掲載されている年度や内容が様々ですので、どれを買い揃えればいいのか分からない方も多いかと思います。
この記事では、「ふぞろい」シリーズの種類や特徴を踏まえたうえで、「これを揃えておけば間違いない!」という最強の揃え方を解説します。
中小企業診断士試験は、一次試験が終わってから二次試験の本番まで、約2か月半しかありません。
そのため、限られた時間を参考書選びに割いていてはもったいないですよね。
この記事を読めば、すぐに必要な「ふぞろい」シリーズを揃えて、実際に学習を進めていく段階に入れるかと思いますので、是非読んでみてください。
- そもそも「ふぞろいシリーズ」とは
- 二次試験の対策に「ふぞろい」を使うメリット
- 「ふぞろいシリーズ」の種類と特徴
- 「ふぞろい」の最強の選び方・選ぶときのポイント
そもそも「ふぞろい」とは
まずはじめに、「ふぞろい」とはどのような参考書なのか、使用するメリットについて解説します。
「ふぞろい」とは
「ふぞろい」とは、中小企業診断士の二次試験に特化した参考書です。
「ふぞろい」シリーズでは、受験生から「受験で提出した再現答案」と「受験結果や点数」を集めて分析し、答えが無い二次試験においてどのような解答が評価されているのか、どのようなキーワードが得点に繋がっているのかを分析しています。
ご存じの通り、中小企業診断士の二次試験は採点方法や模範解答が開示されないため、勉強方法や自分の解答のレベルがわかりにくい試験です。
これに対して「受験生の受験生による受験生のための参考書」というコンセプトのもと、膨大な答案のサンプルから傾向を分析し、得点に繋がるキーワードや解答案の仮説を立てている唯一の参考書になっています。
ふぞろいが無ければ、解答を書いても答え合わせができません。特に二次試験を独学で受けようと考えている方には必須の参考書です。
ふぞろいを活用するメリット
「ふぞろい」シリーズは、二次試験を受験する多くの方に選ばれている参考書です。
その理由となる、ふぞろいを活用することのメリットをお話しします。
キーワードによる自己採点ができる
「ふぞろい」を使う一番のメリットは、キーワードによる自己採点ができる点です。
採点基準や模範解答が開示されない二次試験では、自分で書いた答案が得点になるのかを評価することが難しいため、独学で勉強を進めにくいです。
そんな中「ふぞろい」では、受験生の膨大な答案を分析し、得点に繋がっていると考えられるキーワードや模範解答を要約しています。
これにより、合格した受験生が共通して書いていた重要なキーワードに点数をつけ、自分の答案と照らし合わせることで自己採点を行うことができる唯一の参考書となっており、多くの受験生に選ばれる理由となっています。
このキーワード採点がないと、過去問を解いてもその答案が得点に繋がるか分かりません…解きたい年度数のふぞろいは揃えておきましょう。
合格者が実践していた勉強方法を知れる
ふぞろいには、受験生の解答分析だけでなく、合格者が受験本番までどのようなスケジュールで何を学習してきたのかをまとめたコラムが掲載されています。
合格者の実践していた勉強方法を知ることで、いざご自身が学習を進める中での戦略を立てる参考にできるのです。
やはり二次試験は、模範解答が無いからこそ何を学習するべきなのかを掴みにくく、独学での勉強が進めにくい試験です。
このよう中で、実際に受験を経て結果を出している方の学習方法を知る機会は貴重であり、より効果的な学習を進めることができるようになることもメリットとなるでしょう。
特に二次試験対策を始めたばかりの方は、答えが分からないのにどう勉強を進めたらよいか分からないかと思います。最初に合格者の学習スケジュールを確認し、本番までの学習の進め方を決めてしまいましょう。
他の受験生の解答と結果を知れる
ふぞろいは多くの受験生から答案を集めることで傾向を分析しています。
実際に受験した方々が書いた答案とその結果を知り、評価される解答と評価されない解答の傾向を知ることができます。
二次試験の学習を1人で進めていると、自分の書く文章が似たような構成になったり、選出するキーワードがいつも同じになったりと、文章のクセが出てきてしまいます。
そこで、「ふぞろい」に掲載されている受験生の解答を見ることで、高得点に繋がる文章構成やキーワードはもちろん、自分では思いつかない切り口や使いまわしに触れることができます。
- キーワードによる自己採点ができる
- 合格者が実践していた勉強方法・スケジュールを知ることができる
- 他の受験生の解答と結果を知ることができる
「ふぞろい」の種類・特徴
「ふぞろい」シリーズは、掲載内容によっていくつかの種類に分かれており、それぞれ特徴を持っている参考書です。
ここでは、「ふぞろい」シリーズにはどのような種類があり、どのような特徴を持っているのかを解説します。
学習を進める上で、本当に必要なラインナップを揃えることが重要です。
「ふぞろい」シリーズの内容は大きく2つ
まず、「ふぞろい」シリーズの掲載内容は、「①答案分析」と「②再現答案」の2つに分類できます。
「①答案分析」は、数多くの受験生から答案を集めて分析することで、どのような解答・キーワードが得点に繋がっているかをまとめてたもので、キーワード採点もできる内容になっています。
「②再現答案」は、二次試験に合格した受験生が書いた再現答案に加え、受験本番までの勉強方法や本番での過ごし方・考え方などの紹介したものです。
「ふぞろい」シリーズを買い揃えるときには、「①答案分析と②再現答案のどちらが必要なのか」や「参考書にどちらの内容が何年分掲載されているのか」を検討する必要があります。
①答案分析は「試験を分析しキーワード採点もできる参考書」、②再現答案は「合格者の勉強方法や実際の解答を参考にできる参考書」です。必要に応じて内容を選んでいきましょう。
そして、この「①答案分析」と「②再現答案」、さらには年度数によって、以下の4種類の参考書が出版されています。
ふぞろいな「合格答案」
ふぞろいな「合格答案」は、毎年「20○○年度版」として出版されており、「1年分の答案分析と再現答案」が掲載されています。
「合格答案」があれば、直近の二次試験の答案分析と再現答案が手に入ることになるため、最新の傾向を深く理解することができます。
「合格者によるふぞろいな特集記事」などのコラムも充実しており、最新1年分の過去問はこれ一冊でバッチリ対策できます。
ふぞろいな「答案分析」
ふぞろいは「答案分析」は、「2年分の答案分析」が掲載されています。
自分の書いた答案をキーワードにより自己採点するには、「答案分析」が必要になります。
解きたい過去問の年度に合わせて購入することで、1冊で2年分の過去問を自己採点できるようになります。
むしろ、この答案分析が無ければ「ふぞろい」シリーズの最大の特長である自己採点ができないため、優先的にそろえておくべきと言えます。
ふぞろいな「再現答案」
ふぞろいな「再現答案」は、「2年分の再現答案」が掲載されています。
二次試験の勉強方法を模索していたり、キーワード採点を行っても点数が安定しないなど、合格者が実践していた勉強法や解答プロセスを深く理解したい方は、答案分析とセットで揃えると良いでしょう。
再現答案は、実践的なスキルというよりも、「読み物」に近い内容になっています。
少なくとも1年分は読むべき価値がありますが、ある程度自分の型や解き方が身についていれば数を揃える必要はないかも知れません。
合格答案10年データブック
合格答案10年データブックは、「2008年から2018年までの答案分析」をまとめたものです。
10年分の掲載があるため各年度の内容はコンパクトになっていますが、1冊あれば10年分の過去問を自己採点できるようになります。
直近の過去問だけでなく、数をこなして傾向を掴んでいきたい方にオススメです。
加えて、2年分が掲載されている答案分析は1冊2,000円ほどですが、10年データブックは5,000円ほどですので、リーズナブルに過去問対策ができるのも魅力的です。
掲載内容のまとめ
これまで出版されてきた「ふぞろい」シリーズの掲載内容をまとめると以下のようになります。
書籍 | 掲載年度 | 答案分析 | 再現答案 |
---|---|---|---|
ふぞろいな合格答案16 | 2022年(令和4年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案15 | 2021年(令和3年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案14 | 2020年(令和2年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案13 | 2019年(令和1年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案12 | 2018年(平成30年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案11 | 2017年(平成29年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案10 | 2016年(平成28年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案9 | 2015年(平成27年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案8 | 2014年(平成26年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案7 | 2013年(平成25年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案6 | 2012年(平成24年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案5 | 2011年(平成23年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案4 | 2010年(平成22年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案3 | 2009年(平成21年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案2 | 2008年(平成20年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな合格答案 | 2007年(平成19年) | ✓ | ✓ |
ふぞろいな答案分析6 | 2020年・2019年 | ✓ | |
ふぞろいな答案分析5 | 2018年・2017年 | ✓ | |
ふぞろいな答案分析4 | 2016年・2015年 | ✓ | |
ふぞろいな答案分析3 | 2014年・2013年 | ✓ | |
ふぞろいな答案分析2 | 2012年・2011年・2010年 | ✓ | |
ふぞろいな答案分析 | 2009年・2008年・2007年 | ✓ | |
ふぞろいな再現答案6 | 2020年・2019年 | ✓ | |
ふぞろいな再現答案5 | 2018年・2017年 | ✓ | |
ふぞろいな再現答案4 | 2016年・2015年 | ✓ | |
ふぞろいな再現答案3 | 2014年・2013年 | ✓ | |
ふぞろいな再現答案2 | 2012年・2011年・2010年 | ✓ | |
ふぞろいな再現答案 | 2009年・2008年・2007年 | ✓ |
「ふぞろい」を買い揃えるときのポイント
「ふぞろい」シリーズのラインナップを踏まえて、買い揃えるときのポイントを解説します。
なるべく必要なものだけを揃えてリーズナブルに、かつ確実に合格に近づけるように検討していきましょう。
繰り返し復習できる年度数を揃える
まず意識すべきは、「繰り返し復習まで行える量を揃える」ことです。
二次試験は答えのわからない筆記試験ですので、ただ過去問の数をこなすだけでは得点率が上がりにくいです。
本番で得点に繋がる解答を書くためには、過去問を1年分ずつ、丁寧に何度も学習を進め、再現性の高い筆記スキルをも身につけなければなりません。
たくさん参考書を買って過去問を揃えるのではなく、ご自身の学習環境の中で復習までを行える適切量を揃えることを意識しましょう。
自己採点には「答案分析」が必要
「ふぞろい」シリーズの最大のメリットである自己採点を行うためには、「答案分析」が必要です。
改めてにはなりますが、「ふぞろい」を使用することで、抽象度の高い二次試験に対する具体的な学習方法を確立しなければなりません。
まずは学習の方向性を検討し、何年分の過去問を何回解くのかをスケジューリングしましょう。
そのうえで、計画を実行するために必要な年度の「答案分析」は必ず揃えましょう。
「答案分析」は一次試験が終わる前に揃えておく
「ふぞろい」シリーズの中でも、「答案分析」だけは早い段階で揃えておくことをオススメします。
ここまでお話しした通り、二次試験の受験者のほとんどが、答案分析を使って自己採点を行う学習を進めます。
そのため、答案分析(特に2・3年前のシリーズ)は品切れ状態になりやすいです。
答案分析は、二次試験の学習を進めるときに必須となるため、「参考書が売り切れで解きたい過去問が解けない」なん事態にならないように、早めに手に入れておきましょう。
- ただ年度数を揃えるのではなく、繰り返し復習まで行える量を揃える。
- 自己採点には「答案分析」が必要になるため、優先的に確保しておく。
- 品切れになりやすい「答案分析」は、一次試験前から早めに揃えておく。
【迷ったらこれ】ふぞろいの揃え方
ここまで、「ふぞろい」シリーズの特徴や掲載内容、選び方のポイントを解説しました。
最後に、本当に必要なものだけをコスパ良く揃えるために、オススメの揃え方をご紹介します。
オススメの揃え方
結論、私がオススメする「ふぞろい」の揃え方は以下の通りです。
①直近の「合格答案」1冊:直近1年分の「答案分析」と「再現答案」を確保
②直近の「答案分析」2冊:4年分の「答案分析」を確保
(③10年データブック:過去問を5年分以上取り組みたければ確保)
①直近の「合格答案」1冊と、②直近の「答案分析」2冊の計4冊は、確実に揃えておきましょう。
これら4冊があれば、直近5年分についてキーワードによる自己採点ができるようになります。
さらに、直近1年分の「再現答案」を読んで学習の計画を立てることもできます。
この選び方では、以下の考え方・方向性に基づいてラインナップしています。
・過去問は、直近5年分を完璧にすることを優先する
・もし時間に余裕があれば、10年データブックで数を増やしていく
・再現答案は直近1年分だけ最初に読んでおき、過去問演習に多くの時間を割く
・なるべくリーズナブルに、必要なものだけを揃える
再現答案は最新の1年分だけ読んでおけば十分です。実際に解答を書いて自己採点に時間を充てた方が、実践的な記述力が身に付きます。
10年データブックに関しては、最初から揃えておくのではなく、学習を進めていく中で必要性を感じたり、時間に余裕があるならば後から買い足しましょう。
揃え方の具体例
この方向性に基づいて、具体的にどれを買えばいいのかをまとめておきます。
令和5年度に受験する場合
①2023年版「合格答案16」:2023年の「答案分析」と「再現答案」
②2022年版「合格答案17」:2022年の「答案分析」と「再現答案」
③2020~21年「答案分析6」:2020年と2021年の「答案分析」
④2018~19年「答案分析5」:2018年と2019年の「答案分析」
この4冊を選ぶことで、12,000円以下で直近6年分の過去問を自己採点できるようになります。
また「答案分析」は2年に1冊が出版されているため、このパターンでは合格答案を2冊購入することで対応しています。
令和6年度に受験する場合
①2024年版「合格答案17」:2024年の「答案分析」と「再現答案」
②2022~23年版「答案分析7」:2022年と2023年の「答案分析」
③2020~21年「答案分析6」:2020年と2021年の「答案分析」
(④10年データブック:2008年~2018年の「答案分析」)
この3冊(必要があれば10年データブック)を選ぶことで、9,000円以下で5年分の過去問を自己採点できるようになります。
まとめ
当記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、中小企業診断士・二次試験対策に必須の参考書である「ふぞろいシリーズ」について、参考書の特徴や活用のメリット・選び方のポイントを解説しました。
記事の中でもお話ししました通り、中小企業診断士の二次試験は、採点基準や模範解答が開示されないため、学習方法や自分のレベルが分かりにくい試験です。
このような抽象度の高い試験に対して、「ふぞろい」は、合格者の受験勉強を参考にしたり、キーワードによる自己採点ができる唯一の参考書になっています。
この記事を参考にしていただきながら、本当に必要なテキストを効率よく揃え、市腰でも多くの時間を勉強に充てられるよう活用していただければ幸いです。
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